環境基準及び排水基準値等について
1-1 人の健康の保護に関する環境基準
項 目 |
基 準 値 |
カドミウム | 0.003mg/L以下 |
全シアン | 検出されないこと |
鉛 | 0.01mg/L以下 |
六価クロム | 0.05mg/L以下 |
砒素 | 0.01mg/L以下 |
総水銀 | 0.0005mg/L以下 |
アルキル水銀 | 検出されないこと |
PCB | 検出されないこと |
ジクロロメタン | 0.02mg/L以下 |
四塩化炭素 | 0.002mg/L以下 |
1,2-ジクロロエタン | 0.004mg/L以下 |
1,1-ジクロロエチレン | 0.1mg/L以下 |
シス-1,2ジクロロエチレン | 0.04mg/L以下 |
1,1,1-トリクロロエタン | 1mg/L以下 |
1,1,2-トリクロロエタン | 0.006mg/L以下 |
トリクロロエチレン | 0.01mg/L以下 |
テトラクロロエチレン | 0.01mg/L以下 |
1,3-ジクロロプロペン | 0.002mg/L以下 |
チウラム | 0.006mg/L以下 |
シマジン | 0.003mg/L以下 |
チオベンカルブ | 0.02mg/L以下 |
ベンゼン | 0.01mg/L以下 |
セレン | 0.01mg/L以下 |
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 | 10mg/L以下 |
フッ素 | 0.8mg/L以下 |
ホウ素 | 1mg/L以下 |
1,4-ジオキサン | 0.05mg/L以下 |
1-2 生活環境の保全に関する環境基準
1 河川
(1)河川(湖沼を除く。)
ア
項目
|
利用目的の適応性 |
基 準 値 |
||||
水素イオン
濃度 (pH) |
生物化学的 酸素要求量 (BOD) |
浮遊物質量 (SS) |
溶存酸素量 (DO) |
大腸菌群数 |
||
AA |
水道1級・自然環境保全及び A以下の欄に掲げるもの |
6.5以上 8.5以下 |
1mg/L以下 |
25mg/L以下 |
7.5mg/L以上 |
50MPN/ 100mL以下 |
A |
水道2級・水産1級・水浴及び B以下の欄に掲げるもの |
6.5以上 8.5以下 |
2mg/L以下 |
25mg/L以下 |
7.5mg/L以上 |
1,000MPN/ 100mL以下 |
B |
水道3級・水産2級及び C以下の欄に掲げるもの |
6.5以上 8.5以下 |
3mg/L以下 |
25mg/L以下 |
5mg/L以上 |
5,000MPN/ 100mL以下 |
C |
水産3級・工業用水1級及び D以下の欄に掲げるもの |
6.5以上 8.5以下 |
5mg/L以下 |
50mg/L以下 |
5mg/L以上 |
− |
D |
工業用水2級・農業用水及び Eの欄に掲げるもの |
6.0以上 8.5以下 |
8mg/L以下 |
100mg/L以下 |
2mg/L以上 |
− |
E |
工業用水3級・環境保全 | 6.0以上 8.5以下 |
10mg/L以下 |
ごみ等の浮遊が 認められないこと |
2mg/L以上 |
− |
備考 1 基準値は、日間平均値とする(湖沼、海域もこれに準ずる。)。
2 農業用利用点については、水素イオン濃度6.0以上7.5以下、溶存酸素量5mg/L以上とする(湖沼もこれに準ずる。)。
イ
項目 類型 |
>水生生物の生息状況の適応性 |
全亜鉛 |
ノニルフェノール |
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩(LAS) |
生物A |
イワナ、サケマス等比較的低温域を好む水生生物及びこれらの餌生物が生息する水域 | 0.03mg/L以下 |
0.001 mg/L以下 |
0.03mg/L以下 |
生物特A |
生物Aの水域のうち、生物Aの欄に掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 | 0.03mg/L以下 |
0.0006 mg/L以下 |
0.02mg/L以下 |
生物B |
コイ、フナ等比較的高温的を好む水生生物及びこれらの餌生物が生息する水域 | 0.03mg/L以下 |
0.002 mg/L以下 |
0.05mg/L以下 |
生物特B |
生物Bの水域のうち、生物Bの欄に掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 | 0.03mg/L以下 |
0.002 mg/L以下 |
0.04mg/L以下 |
備考 1 基準値は、年間平均値とする。(湖沼、海域もこれに準ずる。)
1 河川
(2) 湖沼(天然湖沼及び貯水量が1,000万立方メートル以上であり、かつ、水の滞留時間が4日間以上である人工湖)
ア
項目
類型 |
利用目的の適応性 |
水素イオン
濃度 (pH) |
化学的酸素要求量 (COD) |
浮遊物質量 (SS) |
溶存酸素量 (DO) |
大腸菌群数 |
AA |
水道1級,水産1級,自然環境保全及びA以下の欄に掲げるもの | 6.5以上 8.5以下 |
1mg/L 以下 |
1mg/L 以下 |
7.5mg/L 以上 |
50MPN/ 100mL以下 |
A |
水道2、3級,水産2級,水浴及びB以下の欄に掲げるもの | 6.5以上 8.5以下 |
3mg/L 以下 |
5mg/L 以下 |
7.5mg/L 以上 |
1,000MPN/ 100mL以下 |
B |
水産3級,工業用水1級, 農業用水及びCの欄に掲げるもの |
6.5以上 8.5以下 |
5mg/L 以下 |
15mg/L 以下 |
5mg/L 以上 |
− |
C |
工業用水2級,環境保全 | 6.0以上 8.5以下 |
8mg/L 以下 |
ごみ等の浮遊が認められないこと。 |
2mg/L 以上 |
− |
イ
項目
類型 |
利用目的の適応性 |
全窒素 |
全燐 |
I |
自然環境保全及びII以下の欄に掲げるもの | 0.1mg/L以下 |
0.005mg/L以下 |
II |
水道1、2、3級(特殊なものを除く。) 水産1種 水浴及びIII以下の欄に掲げるもの |
0.2mg/L以下 |
0.01mg/L以下 |
III |
水道3級(特殊なもの)及びIV以下の欄に掲げるもの | 0.4mg/L以下 |
0.03mg/L以下 |
IV |
水産2種及びVの欄に掲げるもの | 0.6mg/L以下 |
0.05mg/L以下 |
V |
水産3種,工業用水,農業用水,環境保全 | 1mg/L 以下 |
0.1mg/L 以下 |
備考 1 基準値は年間平均値とする。
2 水域類型の指定は、湖沼植物プランクトンの著しい増殖を生ずるおそれがある湖沼について行うものとし、全窒素の項目の基準値は、全窒素が湖沼植物プランクトンの増殖の要因となる湖沼について適用する。
3 農業用水については、全燐の項目の基準値は適用しない。
ウ
項目
類型 |
水生生物の生息状況の適応性 |
全亜鉛 |
ノニルフェノール |
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩(LAS) |
生物A |
イワナ、サケマス等比較的低温域を好む水生生物及びこれらの餌生物が生息する水域 | >0.03mg/L 以下 |
0.001mg/L以下 |
0.03mg/以下 |
生物特A |
生物Aの水域のうち、生物Aの欄に掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 |
0.03mg/L 以下 |
0.0006mg/L以下 |
0.02mg/以下 |
生物B |
コイ、フナ等比較的高温域を好む水生生物及びこれらの餌生物が生息する水域 | 0.03mg/L 以下 |
0.002mg/L以下 |
0.05mg/以下 |
生物特B |
生物A又は生物Bの水域のうち、生物Bの欄に掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 | 0.03mg/L 以下 |
0.002mg/L以下 |
0.04mg/以下 |
2 海域
ア
項目
類型 |
利用目的の適応性 |
水素イオン 濃度(pH) |
化学的酸素 要求量(COD) |
溶存酸素量(DO) |
大腸菌群数 |
n-ヘキサン抽出物質(油分等) |
A |
水産1級・水浴・自然環境保全 及びB以下の欄に掲げるもの |
7.8以上 8.3以下 |
2mg/L以下 |
7.5mg/L以上 |
1,000MPN/ 100mL以下 |
抽出されないこと |
B |
水産2級・工業用水 及びCの欄に掲げるもの |
7.8以上 8.3以下 |
3mg/L以下 |
5mg/L以上 |
− |
抽出されないこと |
C |
環境保全 | 7.0以上 8.3以下 |
8mg/L以下 |
2mg/L以上 |
− |
− |
備考 水産1級のうち、生食用原料カキの養殖の利用点については、大腸菌群数70MPN/100mL以下とする。
イ
項目
類型 |
利用目的の適応性 |
全窒素 |
全燐 |
T |
自然環境保全及びU以下の欄に掲げるもの (水産2種及び3種を除く。) |
0.2mg/L以下 |
0.02mg/L以下 |
U |
水産1種・水浴及びV以下の欄に掲げるもの (水産2種及び3種を除く。) |
0.3mg/L以下 |
0.03mg/L以下 |
V |
水産2種及びWの欄に掲げるもの (水産3種を除く。) |
0.6mg/L以下 |
0.05mg/L以下 |
W |
水産3種・工業用水・生物生息環境保全 | 1mg/L以下 |
0.09mg/L以下 |
備考 1 基準値は年間平均値とする。
2 水域類型の指定は、湖沼植物プランクトンの著しい増殖を生ずるおそれがある湖沼について行うものとし、全窒素の項目の基準値は、全窒素が湖沼植物プランクトンの増殖の要因となる湖沼について適用する。
1-3 地下水の水質汚濁に関する環境基準
項 目 |
基 準 値 |
カドミウム | 0.003mg/L以下 |
全シアン | 検出されないこと |
鉛 | 0.01mg/L以下 |
六価クロム | 0.05mg/L以下 |
砒素 | 0.01mg/L以下 |
総水銀 | 0.0005mg/L以下 |
アルキル水銀 | 検出されないこと |
ポリ塩化ビフェニル | 検出されないこと |
ジクロロメタン | 0.02mg/L以下 |
四塩化炭素 | 0.002mg/L以下 |
塩化ビニルモノマー | 0.002mg/L以下 |
1,2-ジクロロエタン | 0.004mg/L以下 |
1,1-ジクロロエチレン | 0.1mg/L以下 |
1,2-ジクロロエチレン | 0.04mg/L以下 |
1,1,1-トリクロロエタン | 1mg/L以下 |
1,1,2-トリクロロエタン | 0.006mg/L以下 |
トリクロロエチレン | 0.01mg/L以下 |
テトラクロロエチレン | 0.01mg/L以下 |
1,3-ジクロロプロペン | 0.002mg/L以下 |
チウラム | 0.006mg/L以下 |
シマジン | 0.003mg/L以下 |
チオベンカルブ | 0.02mg/L以下 |
ベンゼン | 0.01mg/L以下 |
セレン | 0.01mg/L以下 |
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 | 10mg/L以下 |
ふっ素 | 0.8mg/L以下 |
ほう素 | 1mg/L以下 |
1,4-ジオキサン | 0.05mg/L以下 |
1-4 一律排水基準
(1)健康項目
有害物質の種類 |
許容限度 |
カドミウム及びその化合物 | 0.03mg/L |
シアン化合物 | 1mg/L |
有機燐化合物 | 1mg/L |
鉛及びその化合物 | 0.1mg/L |
六価クロム化合物 | 0.5mg/L |
砒素及びその化合物 | 0.1mg/L |
総水銀 | 0.005mg/L |
アルキル水銀化合物 | 検出されないこと |
ポリ塩化ビフェニル | 0.003mg/L |
トリクロロエチレン | 0.1mg/L |
テトラクロロエチレン | 0.1mg/L |
ジクロロメタン | 0.2mg/L |
四塩化炭素 | 0.02mg/L |
1,2-ジクロロエタン | 0.04mg/L |
1,1-ジクロロエチレン | 1mg/L |
シス-1,2-ジクロロエチレン | 0.4mg/L |
1,1,1-トリクロロエタン | 3mg/L |
1,1,2-トリクロロエタン | 0.06mg/L |
1,3-ジクロロプロペン | 0.02mg/L |
チウラム | 0.06mg/L |
シマジン | 0.03mg/L |
チオベンカルブ | 0.2mg/L |
ベンゼン | 0.1mg/L |
セレン及びその化合物 | 0.1mg/L |
ほう素及びその化合物 | 海域以外 10mg/L 海域 230mg/L |
ふっ素及びその化合物 | 海域以外 8mg/L 海域 15mg/L |
アンモニア、アンモニウム化合物 亜硝酸化合物及び硝酸化合物 |
100mg/L |
1,4-ジオキサン | 0.5mg/L |
(2)生活環境項目
生活環境項目 |
許容限度 |
水素イオン濃度(pH) | 海域以外 5.8-8.6 海域 5.0-9.0 |
生物化学的酸素要求量 (BOD) | 160mg/L (日間平均 120mg/L) |
化学的酸素要求量 (COD) | 160mg/L (日間平均 120mg/L) |
浮遊物質量(SS) | 200mg/L (日間平均 150mg/L) |
ノルマルヘキサン抽出物質量(鉱油類) | 5mg/L |
ノルマルヘキサン抽出物質量(動植物油) | 30mg/L |
フェノール類含有量 | 5mg/L |
銅含有量 | 3mg/L |
亜鉛含有量 | 2mg/L |
溶解性鉄含有量 | 10mg/L |
溶解性マンガン含有量 | 10mg/L |
クロム含有量 | 2mg/L |
大腸菌群数 | 日間平均 3000個/cm3 |
窒素含有量 | 120mg/L (日間平均 60mg/L) |
燐含有量 | 16mg/L (日間平均 8mg/L) |
備考 1 「日間平均」による許容限度は、1日の排出水の平均的な汚染状態について定めたものである。
2 この表に掲げる排水基準は、1日当たりの平均的な排出水の量が50立方メートル以上である工場又は事業場に係る排出水について適用する。
3 水素イオン濃度及び溶解性鉄含有量についての排水基準は、硫黄鉱業(硫黄と共存する硫化鉄鉱を掘採する鉱業を含む。)に属する工場又は事業場に係る排出水については適用しない。
4 水素イオン濃度、銅含有量、亜鉛含有量、溶解性鉄含有量、溶解性マンガン含有量及びクロム含有量についての排水基準は、水質汚濁防止法施行令及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令の施行の際現にゆう出している温泉を利用する旅館業に属する事業場に係る排出水については、当分の間、適用しない。
5 生物化学的酸素要求量についての排水基準は、海域及び湖沼以外の公共用水域に排出される排出水に限って適用し、化学的酸素要求量についての排水基準は、海域及び湖沼に排出される排出水に限って適用する。
6 窒素含有量についての排水基準は、窒素が湖沼植物プランクトンの著しい増殖をもたらすおそれがある湖沼として環境大臣が定める湖沼、海洋植物プランクトンの著しい増殖をもたらすおそれがある海域(湖沼であって水の塩素イオン含有量が1リットルにつき9,000ミリグラムを超えるものを含む。以下同じ。)として環境大臣が定める海域及びこれらに流入する公共用水域に排出される排出水に限って適用する。
7燐(りん)含有量についての排水基準は、燐(りん)が湖沼植物プランクトンの著しい増殖をもたらすおそれがある湖沼として環境大臣が定める湖沼、海洋植物プランクトンの著しい増殖をもたらすおそれがある海域として環境大臣が定める海域及びこれらに流入する公共用水域に排出される排出水に限って適用する。
1-5 農業用水基準(参考)
農業用水基準は、法的効力はないが水稲の正常な生育のために望ましいかんがい用水の指標として利用されている。また、水稲に被害の発現する汚濁物質の許容限界濃度の目安として、千葉県農業試験場が次表の基準を示している。
(1)農業(水稲)用水基準・水稲の生育に対する水質汚濁の許容濃度の目安
項 目 |
農業用水基準 (農林水産技術会議 昭和46年10月4日) |
水稲の生育に対する水質 汚濁の許容濃度の目安 (千葉県農業試験場) |
|
pH(水素イオン濃度) | 6.0〜7.5 |
6.0〜7.5 |
|
COD(化学的酸素要求量) | 6mg/L以下 |
8mg/L以下 |
|
BOD(生物化学的酸素要求量) | − |
5〜8mg/L以下 |
|
SS(浮遊物質) | 100mg/L以下 |
100mg/L以下 |
|
DO(溶存酸素) | 5mg/L以上 |
5mg/L以上 |
|
T-N(全窒素濃度) | 1mg/L以下 |
5mg/L以下 |
|
NH4-N(アンモニア性窒素) | − |
3mg/L以下 |
|
EC(電気伝導度) | 0.3ms/cm以下 |
1ms/cm以下 |
|
Cl-(塩素イオン) | − |
500〜700mg/L以下 |
|
ER(蒸発残留物) | − |
1000mg/L以下 |
|
重金属 | As(ヒ素) |
0.05mg/L以下 |
− |
Zn(亜鉛) | 0.5mg/L以下 |
− |
|
Cu(銅) | 0.02mg/L以下 |
− |
|
ABS(アルキルベンゼンスルホン酸) | − |
3mg/L以下 |
窒素については、東京都農業試験場が窒素濃度と水稲生育収量との関係を、またCODについては、愛知県農業試験場がCODと水稲被害率の関係について、それぞれ以下に示すものを報告している。
用水の窒素濃度と水稲生育収量の関係
|
CODと水稲被害率との関係
[愛知県農業試験場 1964年] |